診療一口メモ
補聴器をかしこく使って認知症を予防しましょう
最近、TVの音が大きくなったり、聞き間違いをしたり、大勢の会合で相手の声が聞きづらかったりすることがありませんか?
それは難聴の始まりかもしれません。最近の研究によると、認知症が起こる最も大きな原因の一つが中年期以降の難聴だと報告されています。ではなぜ難聴を放置していると認知症になる危険性が高まるのでしょうか。まだ詳しいことはわかっていませんが、難聴のために、音の刺激や脳に伝わる情報量が少ない状態にさらされると脳が委縮し認知症の発症に大きく影響することがわかってきています。また難聴のためにコミュニケーションがうまくとれず、人との会話を避けるようになり社会的に孤立することで認知症になる危険が高まるのではないかと考えられています。そこで、認知症予防のためには中年期以降の難聴の早い段階から補聴器をすることが推奨されています。しかし、現在日本での補聴器の普及率(補聴器が必要な難聴があり実際補聴器をしている人の割合)はたった14%で欧米先進国の3分の1以下です。残念ながら日本は補聴器後進国なのです。昨年から医師が必要と認めれば補聴器購入費用は医療費控除の対象になっていますので自己負担が少し軽減されます。また補聴器には消費税がかかりません。最近ちょっと聞こえにくいなー、またご家族が難聴かもしれないと思われる方は一度耳鼻咽喉科で相談をしてみてください。
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岡山市医師会“診療一口メモ”係