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診療一口メモ

家庭血圧測定について

血圧を測る時、診察室では水銀血圧計が使われてきましたが、水銀の環境汚染の問題から2021年1月以降の製造と輸出入が禁止されることになり、上腕式自動血圧計に代わってきました。この血圧計は家庭血圧測定にも使われており、有用性が確認されています。

つまり、上腕カフ血圧計を用いて、原則2回測定し、その平均値をその機会の血圧値として用います。高血圧診断、降圧効果判定には、朝・晩それぞれの測定値7日間(少なくとも5日間)の平均値を用います。

家庭血圧値は135/85mmHg以上の場合に高血圧として対処します。

高血圧症は脳卒中と心臓病の最大の危険因子です。高齢者では、脳卒中と心臓病は、がんとほぼ同程度の死亡原因となっているので、血圧の十分なコントロールが求められています。

診察室血圧と家庭血圧の間に差がある場合は、家庭血圧による診断を優先します。家庭血圧が高いのに診察室では正常な血圧を「仮面高血圧」と言います。これは家庭でも診察室でも血圧が高い高血圧症に匹敵するほど脳卒中と心臓病発症のリスクが高いことが分かりました。

高血圧症の治療、血圧を正常化するには減塩食とダイエット、運動療法などの生活習慣の修正と薬物療法があります。降圧目標は年齢や合併症によって異なりますが、75歳未満の成人は、家庭血圧で125/75mmHg未満を目指します。

今後の希望テーマははがきでご連絡ください。

〒700-0835 北区東中央町3-14
岡山市医師会“診療一口メモ”係