診療一口メモ
新型コロナウイルス感染とCT検査
新型コロナウイルス肺炎について「CT検査をすれば早期にわかるのでは」と思われる方がおられるかもしれません。放射線科専門医の集団から次のような提言がされています。
CT検査をすれば肺炎をおこしているかどうか、その肺炎がウイルスによるものかどうかについての情報は増えます。ただ、CT検査でウイルスによる肺炎を疑ったとしても、それが新型コロナウイルスによる肺炎なのか、そのほかのこれまでに知られているウイルスによる肺炎なのかを区別することはできません。
また、新型コロナウイルスに感染してどのくらい時間がたてばCT検査で異常が出るのかわかっていないため、CT検査で異常がないからといって新型コロナウイルスに感染していないとはいえません。
CT検査室にはいろいろな患者さんが検査を受けに来られます。このあと検査を受ける方に新型コロナウイルスがうつらないようにする準備をしてからでないと、新型コロナウイルスの感染を疑う患者さんの検査を行うことができず、そのためには時間と人手がかかります。
以上の理由から感染症や呼吸器病などを専門とする医師により新型コロナウイルス感染が疑われ、さらにCT検査が必要と診断された方のみが検査体制が整った病院でCT検査を受けることが望まれます。新型コロナウイルス感染が心配だからという理由でかかりつけ医などを受診してCT検査を希望することはお控えください。
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岡山市医師会“診療一口メモ”係