診療一口メモ
味覚異常と風味障害
コロナの初発症状として最近脚光を浴びている味覚嗅覚障害ですが、皆さんかぜをひいた時、食べ物の味がよくわからなくなること、ありますよね。“食べ物の味(風味)“といった場合多くの人は舌で感じる感覚と思っていると思います。しかし、風味は舌で感じる味覚のほかに嗅覚や食物の色、形、温度、食べたときの音、舌触りなど様々な要素を複合した感覚でなりたっています。
かぜをひくと食べ物の味が変わることをほとんどの人が経験して知っていると思います。この原因としては、味覚の低下もありますが、鼻の粘膜の腫脹や鼻汁による鼻づまり、そしてそれによっておこる嗅覚障害が重要と思われます。多くの場合かぜが治ると元に戻ります。しかし中にはかぜが治った後にも風味の障害が続くことがあります。これはかせが治った後も鼻の炎症が続いているか、または、かぜによってにおいを感じる神経(嗅神経)の障害が原因となっていることが疑われます。
そして、最近のコロナ感染による味覚嗅覚障害ですが、このような味覚違和感の患者さんが来られた場合、病院ではまず、症状発生状況の問診、そして鼻の中、口の中の様子を丁寧に観察し、風味障害か、嗅覚障害か、それとも新型コロナ感染症の疑いがあるのか、診察しています。症状があって受診するときはまず受付で一言伝えてくださいね。
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岡山市医師会“診療一口メモ”係